なぜ50代で「銀行預金」だけの放置を見直したいのか
かつての日本は、モノの値段が下がり続ける「デフレ」の時代でした。この時代は、銀行に現金を置いておくだけでも相対的にお金の価値が上がるため、「預金こそ安心」だったわけです。
しかし、今は事情が違います。光熱費も食料品も値上がりする「インフレ」の局面に入りました。仮にインフレ率が年2〜3%で進んだ場合、銀行口座にある1000万円の価値は、10年後には実質的に800万円程度の価値まで目減りする計算になります。
つまり、現金100%のまま放置することは、「見えない目減り」を毎年受け続けているのと同じとも言えます。守りに徹したつもりが、実質では資産が少しずつ削られてしまう——ここが、銀行預金だけに頼ることを見直したい理由です。
初心者は「全世界株式(オルカン)」1本でOK
「では何を買えばいいのか」と迷う方に向けて、最もシンプルで力強い結論をお伝えします。投資初心者が最初に組むべきは、全世界株式(通称:オルカン)のインデックスファンド1本です。
日本、アメリカ、ヨーロッパ、新興国など、世界中の幅広い企業にまるごと分散投資できるのがオルカンの強みです。これ1本で、世界経済の成長にそのまま乗っていくことができる、王道中の王道です。
50代からでも遅いということはありません。10年、15年と時間を味方につけることで複利が働き、元本割れのリスクを抑えながら資産を育てやすくなります。
まずは、何かあったときにすぐ使える生活防衛資金を銀行口座に残したうえで、余剰資金をコツコツとオルカンに積み立てていく。これが最初のステップです。
資産1000万円を超えたら考える「アセット分散」
全世界株式1本での運用を続け、運用金額が1000万円を超えてきたあたりからは、少し戦略を見直したくなります。金額が大きくなると、市場が下落したときの一時的なマイナス額も大きくなり、精神的な負担に耐えにくくなることがあるからです。
そこで役立つのが、株式とは違う値動きをする資産を組み込むアセット分散です。僕がおすすめする分散先は、次の2つです。
分散先①:債券(米国債のインデックスファンド)
株式が「攻め」の資産だとすれば、債券は「守り」の資産です。特に米国債は、株式市場が下落して不安が広がったときに、資金の逃げ込み先として選ばれやすく、下落時のクッションになってくれます。
分散先②:金(金のインデックスファンド)
金(ゴールド)は「実物資産」であり、そのもの自体に価値があります。紙幣の価値が下がるインフレ時や、有事の際に価格が上がりやすいという特徴があります。ポートフォリオに金を少し混ぜることで、資産全体の防御力を補うことができます。
毎月分配型に注意(よくある質問)
Q. 毎月分配型の債券ファンドは買ってもいい?
債券や金のファンドを選ぶとき、ランキングなどで魅力的な利回りをうたう「毎月分配型」の商品が目に入ることがあります。けれど、毎月分配型は「毎月お小遣いが入ってくる」ように見えて、実は元本を取り崩して支払っているケース(いわゆるタコ足配当)も少なくありません。
毎月分配型は長期の資産形成には向きにくく、新NISAの対象からも外れています。債券・金を選ぶ際は、必ず新NISA(成長投資枠)の対象になっている低コストのインデックスファンドを選ぶようにしてください。
まとめ
50代からの資産配分のポイント
- 現金100%放置は見直したい
インフレ局面では実質的な価値が目減りしやすい。 - 初心者はオルカン1本で土台づくり
世界中に分散できる王道。生活防衛資金は残しておく。 - 1000万円を超えたらアセット分散
債券・金を加え、下落時のクッションを用意する。 - 毎月分配型は避ける
必ず新NISA対象の低コストファンドを選ぶ。
50代からでも、決して遅くはありません。一括で全額を投じるのではなく、手元に現金を残しながら「時間を味方に」コツコツ積み立てていく。それだけで、10年後・20年後の安心感は大きく変わります。
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