一覧図は相続人の説明資料で、遺産の分け方を決める書類ではない
法務局の法定相続情報証明制度は、戸除籍謄本等の記載に基づく法定相続人を明らかにする制度です。一覧図の写しは相続手続等に利用できますが、相続放棄や遺産分割協議の結果で実際に財産を取得しない方も記載される場合があります。[1]
楽団の名簿に例えると、参加する人の名前を一覧で説明することと、誰がどの曲のソロを担当するかを決めることは別です。一覧図は相続人の関係を説明する側に対応し、遺産を誰が取得するかという合意まで代わりに決めるものではありません。
これは書類の役割を分ける例えです。相続人の範囲や相続放棄の法的効果を楽団の参加ルールと同じとは考えません。実際の手続では、利用先が求める遺産分割協議書などの追加書類を確認する必要があります。[1]
再交付は当初の申出人から、一覧図を保管する登記所へ
法定相続人の全員が再交付できるわけではありません。代理・期間外の対応は登記所へ確認。
写しを追加したいとき、再交付を受けられるのは当初の申出書に申出人として氏名を記載した方です。他の相続人というだけでは再交付を受けられない、と法務局は説明しています。家族内の書類担当が変わった場合も、まず元の申出人を確認しましょう。[1]
一覧図の保存は申出日の翌年から起算して5年間で、この間に再交付を受けることができます。最初に申出をした登記所が再交付の申出先です。最寄りの法務局ならどこでも同じと考えず、元の申出先を控えから探します。[1]
この5年は一覧図を保管し再交付できる期間の説明です。相続手続を5年間待ってよいという意味ではありませんし、提出先の書類条件を一律に決める期間でもありません。申出日や保管先が分からない場合、古い控えの情報を用意して当初の登記所へ確認してください。
二つの銀行と一つの証券会社なら、必要通数を先に聞く
家族で作る記録の模式図
実際の申出書・金融機関の書式ではありません。個別の回答を記録し、受付と完了を分けます。
仮に、銀行A・銀行B・証券会社Cの三か所で親の相続手続を行い、銀行Aにはすでに一覧図の写しを提出している場面を考えます。これは架空の確認例です。残る二か所に必要通数、写しの取扱い、返却の有無、一覧図以外の必要書類を個別に聞き、回答を別々の行に記録します。
たとえば銀行Bと証券会社Cがそれぞれ一通必要と回答し、手元に使用できる写しがないなら、追加で必要な分は一通+一通=二通です。ただしこれは回答を整理する仮定で、どの金融機関も一通だけで足りるという意味ではありません。すでに提出した分の返却予定や書類の条件も確認します。
法務局の案内には、再交付の必要書類、再交付申出書と記入例があります。当初の申出人、保管する登記所、必要通数を整理したうえで、現行の様式と案内を確認して申し出ます。代理による申出を考える場合も、誰でも代わりに受け取れると判断せず、委任と本人確認の条件を登記所へ確認しましょう。[1]
交付されたら氏名関係と必要通数を確認し、提出先ごとに提出日と追加書類の回答を記録します。金融機関の受付だけで払戻しや移管が完了したとは扱わず、手続の完了通知と実際の入金・移管結果まで照合してください。今日できることは、当初の申出人と登記所を確認し、残る提出先へ書類の条件を問い合わせることです。
よくある質問
一覧図をまだ作っていない場合も再交付ですか?
再交付は当初の申出により保管された一覧図の写しを追加する場面です。初回は必要書類の収集、一覧図の作成、申出の手順を公式案内で確認します。[1]
相続放棄した人が一覧図に載っていても誤りですか?
法務局は、戸籍から明らかになる法定相続人を示す制度であり、相続放棄や遺産分割の結果で実際に財産を取得しない人も記載されると説明しています。一覧図だけで財産の取得者を決めず、利用先へ追加書類を確認してください。[1]
