まず結論:費用は三つの時点に分けて比べる
金融庁は、投資信託の主な費用として、購入時手数料、保有中に日々負担する信託報酬、換金時の信託財産留保額を示しています。[1]
資産運用業協会も、信託報酬のほかに監査報酬や売買委託手数料などが信託財産から差し引かれると説明しています。[2]
比較表には『購入時』『保有中』『換金時』の三列を作り、費用がない場合も空欄にせず『なし』と記録します。
- 購入時:購入時手数料の有無と上限。
- 保有中:信託報酬と直近の総経費率。
- 換金時:信託財産留保額や解約手数料の有無。
購入時手数料ゼロだけで決めない
購入時手数料は、購入時に販売会社へ直接支払う費用です。費用がないノーロードの商品もあります。[2]
金融庁の資料では、NISAのつみたて投資枠対象となる公募株式投資信託は販売手数料ゼロで、信託報酬も一定水準以下であることが要件とされています。[1]
ただし、購入時手数料がゼロでも保有中の費用は続きます。長く保有する前提なら、次に信託報酬と総経費率を確認します。
信託報酬と総経費率は役割が違う
信託報酬は、投資信託を保有している間、保有額に応じて日々差し引かれる運用管理費用で、年率は目論見書などに記載されます。[2]
一方、総経費率は実際の運用期間にかかった費用を確認するための指標です。金融庁は、総経費率にも売買委託手数料など一部含まれない費用があると説明しています。[3]
目論見書の信託報酬は事前確認、運用報告書の総経費率は実績確認として使い分け、どちらか一方だけで比較を終えないようにします。
| 見る数字 | 主な資料 | 確認すること |
|---|---|---|
| 購入時手数料 | 交付目論見書 | 販売会社ごとの上限・有無 |
| 信託報酬 | 交付目論見書 | 保有中の年率・実質的な率 |
| 総経費率 | 運用報告書 | 直近期間の実績と内訳 |
同じ土俵の商品だけを並べる
費用が低いかを見る前に、投資対象、連動を目指す指数、為替ヘッジの有無、分配方針などが同じか確認します。
国内株式と世界株式、インデックス運用とアクティブ運用では、期待する役割や運用方法が異なります。費用の数字だけで別の商品を優劣判定しないようにしましょう。
資産運用業協会も、購入時手数料や信託報酬の金額は投資信託の良し悪しと直接関係しないと説明しています。[4]
年1回、運用報告書で実績を更新する
購入前は目論見書で費用の上限や仕組みを確認し、保有後は最新の運用報告書で総経費率やその他費用を見直します。
比較メモには確認日と資料名を残します。手数料率の変更や運用方針の違いがあれば、安さだけで売買せず、その商品を持つ目的と照らして判断しましょう。
よくある質問
総経費率が低ければ必ず良い投資信託ですか?
費用は比較項目の一つです。投資対象、運用方針、リスク、分配方針などが自分の目的に合うかを同じ土俵で確認します。[4]
