まず結論:保有本数ではなく投資対象を見る
金融庁は、値動きが異なる国内・海外、株式・債券・不動産など複数の資産へ分散することで、価格変動をある程度抑え、安定的な運用を目指せると説明しています。ただし元本割れを防ぐ保証ではありません。[1][2]
投資信託は1本の中で多くの銘柄へ投資できますが、複数本を保有しても投資対象が似ていれば、同じ値動きの影響を受けやすくなります。[3][4]
まずファンド名や保有本数を隠し、資産、地域、ベンチマーク、上位組入銘柄の四項目で比べます。
- 資産:株式・債券・REITなど
- 地域:国内・先進国・新興国など
- 基準:連動を目指す指数
- 中身:上位の組入銘柄・比率
資産と地域を同じ区分で書き出す
各ファンドの交付目論見書で「ファンドの目的・特色」を開き、主な投資対象が株式、債券、REIT、その他のどれかを確認します。[3][5]
次に国内、海外、先進国、新興国など地域をそろえて書きます。全世界株式と米国株式を組み合わせる場合、全世界株式にも米国株が含まれるため、別の名前でも地域が重なります。
地域区分や構成比は運用会社ごとに表示方法が異なります。同じ基準日で比べ、分類の境界が違う場合は注記します。
ベンチマークと上位組入銘柄を確認する
インデックスファンドは、運用成果の目安となるベンチマークへの連動を目指します。名称が違っても同じ指数を採用していれば、値動きや保有銘柄は似やすくなります。[4]
目論見書のベンチマーク名と、月報または運用報告書の上位組入銘柄を確認します。同じ企業が何度も上位に現れる場合は、重複して持っていることが分かります。[3][5]
上位銘柄だけで全体を断定はできません。業種別・国別構成も併せて見て、確認できない部分は運用会社の資料や問い合わせ先で補います。
| 確認項目 | 資料 | 重複の見つけ方 |
|---|---|---|
| 資産・地域 | 交付目論見書 | 同じ区分と構成比を比較 |
| ベンチマーク | 交付目論見書 | 同一または近い指数を確認 |
| 上位組入銘柄 | 月報・運用報告書 | 同じ銘柄と比率を比較 |
三つのファンド例を合計して考える
仮に全世界株式を50%、米国株式を30%、国内株式を20%持つとします。これはファンド3本ですが、全世界株式の中にも米国株式と国内株式が含まれます。
確認するときは、各ファンドの比率に、その中の地域・資産構成比を掛けて合計します。構成比は変動するため、これは正確な将来予測ではなく、現在の偏りを見つける概算です。
重複があっても、意図した上乗せなら直ちに誤りではありません。なぜ上乗せするのか、下落時にどの程度まで耐えられるかを言葉で説明できるか確認します。
年一回、増やす前に棚卸しする
新しいファンドを買う前と、少なくとも年一回、四項目の表を更新します。商品数を減らすこと自体を目的にせず、目的と役割が重なる商品を見つけます。
使う時期が近い生活資金や予備費は、投資信託の分散とは別に現金で管理します。J-FLECも投資は当面使う予定がないお金で行うことを案内しています。[2]
分散しても損失をなくすことはできません。売却や配分変更は税金、手数料、NISA枠、家計全体を確認し、必要なら中立的な専門家へ相談してください。
よくある質問
投資信託は何本持てば分散できますか?
本数だけでは決まりません。資産、地域、ベンチマーク、上位組入銘柄が異なるかを確認します。
全世界株式と米国株式を両方持つと分散になりますか?
全世界株式にも米国株が含まれるため、米国株の比率を上乗せする形になります。意図した配分か、構成比を確認します。
重複していたら一つを売るべきですか?
重複だけで即断しません。目的、使う時期、税金、手数料、NISA枠を確認し、家計全体で判断します。
