まず結論:会社や制度の選択肢を先に取り寄せる
退職給付の受取方法は制度ごとに異なります。企業型DCでは、規約に定めがあれば一時金、年金、一部を一時金・残りを年金とする方法を選べます。[1]
最初に勤務先、企業年金基金、運営管理機関へ、選択肢、見込額、受給期間、手続期限、選択後の変更可否を確認します。
インターネット上の一般的な損得より、自分の制度の規約と見込額が比較の出発点です。
- 制度:一時金・年金・併用を選べるか。
- 期限:いつまでに請求方法を決めるか。
- 変更:受給開始後に変更できるか。
税引前の総額と受取期間を同じ条件で並べる
一時金の提示額と、年金一回分の金額だけを比べると判断を誤ります。年金は受給回数と期間を確認し、税引前の受取総額を見積もります。
企業型DCの年金受取期間は、規約により5年以上20年以下の範囲で定められ、終身年金の商品が用意される場合もあります。[1]
運用を続けながら取り崩す方式では資産額や最終回の受取額が変わる可能性があります。定額、定率、終身などの仕組みを同じ『年金』として一括りにしません。[1]
一時金と年金では税金の計算区分が違う
退職により一時に受け取る退職手当等は、原則として退職所得となり、他の所得と分けて税額を計算します。一般的な退職所得は、収入から退職所得控除を差し引いた額の2分の1を基礎に計算しますが、勤続年数や支給の種類による例外があります。[2]
一方、過去の勤務に基づいて会社から支払われる年金や確定給付企業年金の年金は、公的年金等に係る雑所得として扱われます。[3]
同じ退職給付でも受取方法で所得区分が変わります。勤務先の退職金、企業年金、iDeCoなど複数の一時金がある場合は、受取年の組み合わせも含めて税務署や税理士へ確認します。
| 比較項目 | 一時金 | 年金 |
|---|---|---|
| 受取時期 | まとまって受取 | 期間を分けて受取 |
| 主な税区分 | 退職所得となる場合 | 公的年金等の雑所得となる場合 |
| 家計管理 | 自分で資金を分ける | 定期収入として管理 |
使う時期と毎月の不足額を先に書く
退職直後に住宅修繕、ローン返済、医療費などの予定があるなら、時期と金額を一時金の使途として書き出します。
年金を選ぶ場合は、公的年金、企業年金、再雇用収入、毎月の生活費を年ごとに並べ、収入の空白と不足額を確認します。
まとまった金額を自分で管理する不安と、分割受取で途中の選択肢が狭まる可能性を両方書きます。受取後すぐ投資することを前提にしません。
五項目の比較表を作ってから専門家へ確認する
比較表には、税引前総額、税の見込み、受取期間、必要資金の時期、変更・遺族給付の条件を記入します。空欄があれば勤務先や制度窓口へ質問します。
一時金では『退職所得の受給に関する申告書』の提出状況も確認します。提出していれば支払者が税額を計算し、原則として確定申告が不要とされますが、申告書を提出しない場合などは扱いが異なります。[2]
年金の税務は他の公的年金等や所得と合算して判断します。[3] 最終的な手取りは個別条件で変わるため、制度窓口の試算と税務の確認をそろえて決めましょう。
よくある質問
退職金は一時金と年金のどちらが得ですか?
一律には決まりません。制度の提示額、受取期間、税区分、他の退職金・年金、必要資金の時期、変更可否を同じ表で比較します。
一時金と年金を併用できますか?
制度の規約によります。企業型DCでは規約に定めがあれば、一部を一時金、残りを年金で受け取れる場合があります。[1]
年金として受け取ると退職所得になりますか?
過去の勤務に基づく会社年金や確定給付企業年金の年金は、公的年金等に係る雑所得となるのが基本です。給付の種類で扱いが変わるため制度窓口と税務署へ確認します。[3]
