まず結論:NISAの上限ではなく家計の余力から決める
金融庁は、安定的な資産形成では一人ひとりがライフプランに応じて金融商品やサービスを選ぶことが重要だとしています。[1]
また、J-FLECは投資の心構えとして、心・時間・資金の三つの余裕を挙げ、投資は余裕資金で行うことを案内しています。[2]
そのため、毎月の積立額は『使える枠』から決めるのではなく、生活費と近い将来に使うお金を残した後の範囲から決めます。
積み立てる前に、お金を三つに分ける
J-FLECは、お金を日常生活に必要なお金、近い将来に使うお金、将来に向けて増やすお金に分ける考え方を示しています。[3]
50代では、住宅修繕、車の買い替え、家族への支援、医療・介護、退職前後の収入変化など、使う時期が見えている支出を先に書き出すことが大切です。
数年以内に使う予定のお金まで投資へ回すと、値下がり時に売却が必要になる可能性があります。使う時期が近い資金は、投資資金と分けて管理しましょう。
- 日常生活に必要なお金:毎月の生活費と口座引落し。
- 近い将来に使うお金:年払い費用、修繕、車、家族行事など。
- 将来に向けて増やすお金:当面使う予定のない長期資金。
つみたて投資枠の月10万円は目標額ではない
金融庁によると、NISAのつみたて投資枠は年間120万円、成長投資枠は年間240万円で、併用すると年間360万円まで利用できます。[4]
年間120万円を12で割ると月10万円ですが、これは制度上の上限を月割りした数字であり、全員が毎月10万円を積み立てるべきという意味ではありません。
枠を使い切るために生活予備費を減らしたり、予定支出を投資へ回したりしないようにしましょう。使わなかった年間投資枠を埋めるための無理な入金も必要ありません。
毎月の積立額を仮決めする計算メモ
積立額を考えるときは、まず直近数カ月の平均的な家計の黒字を確認します。そこから、年払い費用の月割額と、減っている生活予備費を戻す金額を差し引きます。
たとえば、毎月の黒字が8万円、年払い費用の月割りが3万円、予備費の補充が2万円なら、仮の積立額は3万円です。これは計算例であり、推奨額ではありません。
計算式は『毎月の黒字-年払いなどの月割額-現金を補充する額=仮の積立額』です。結果がマイナスなら、投資額より先に家計と予定支出を見直します。
| 確認項目 | 計算例 | 自分の金額 |
|---|---|---|
| 毎月の黒字 | 80,000円 | 記入する |
| 年払い等の月割 | -30,000円 | 記入する |
| 予備費の補充 | -20,000円 | 記入する |
| 仮の積立額 | 30,000円 | 計算する |
小さく始め、三カ月後に続けられるか確認する
最初から上限額を設定する必要はありません。まずは家計に負担を感じにくい金額で始め、三カ月ほど実際の口座残高と予定支出を確認します。
積立後も現金が予定どおり残り、年払いの月にも慌てず支払えるなら継続を検討します。反対に、預金を取り崩して生活費を補う状態なら積立額を下げる判断が必要です。
金融庁は、積立投資と長期保有を組み合わせる考え方を紹介しています。[5] 続けられる金額に整えることは、長期で積み立てるための土台になります。
よくある質問
50代の新NISAは毎月10万円積み立てないと意味がありませんか?
いいえ。月10万円はつみたて投資枠の年間120万円を12で割った数字です。生活費、予定支出、予備費を確保したうえで、無理なく続けられる金額を決めます。[4]
毎月1万円から始めてもよいですか?
金額の大小だけで判断する必要はありません。家計を圧迫せず、当面使わない資金で続けられるかを優先してください。積立額は家計の変化に応じて見直せます。
積立額はいつ見直せばよいですか?
退職、再雇用、住宅修繕、車の買い替え、家族への支援など、収入や予定支出が変わるときに確認します。開始後も口座残高を見て、三カ月程度を目安に無理がないか点検しましょう。
