給付金は、対応する医療費の範囲で差し引く
医療費控除では、入院費給付金や高額療養費など、医療費を補う金額を支払った医療費から差し引きます。ただし差引きは、その給付の目的となった医療費の金額まで。引ききれない部分を別の医療費から差し引く必要はありません。[1]
片付けで、返したマフラーを元の収納箱へ戻す場面を考えてみましょう。マフラー用の箱が満杯だからといって、別の靴箱の中身を減らすことはありません。医療費のまとまりが収納箱、対応する補てん金が戻す品物です。まず対応先を決めてから金額を合わせます。
ただし収納箱の例えだけで、給付の税務上の性質や医療費の対象範囲は決まりません。保険会社の給付通知と治療の領収書を照合し、何を補う給付なのかが分からない場合は、支払元と税務署へ確認してください。
入院20万円、給付25万円、別の治療15万円なら
同じ年に、自分が対象となる入院費20万円と別の歯科治療費15万円を支払い、入院だけを補う給付金25万円を受け取ったと仮定します。他の医療費・給付はなく、歯科費用も控除対象、総所得金額等は200万円以上という計算例です。
入院の差引きは20万円-20万円=0円です。給付25万円のうち入院費を上回る5万円は、歯科の15万円から引きません。補てん後の医療費は0円+15万円=15万円、医療費控除額は15万円-10万円=5万円となります。[1]
35万円-25万円-10万円=0円、と家計全体で一度に差し引く計算とは違うんですね。この5万円は戻ってくる税金ではなく、所得から差し引く控除額です。実際の還付は所得や税額などで変わり、5万円が必ず入金されるわけではありません。
領収書と給付通知を、同じ行へ並べる
対象ごとに一行へ並べる
準備用の模式図。国税庁の実際の明細書の書式ではありません。
準備メモは「治療の対象/支払った年と金額/対応する給付/未確定か」の四欄にします。支払った医療費は1月1日から12月31日までの実際の支払分を確認します。未払いの費用は支払った年が対象です。[1]
入院行に20万円と給付25万円を置き、歯科行に15万円と補てんなしを置きます。医療費通知を使う場合も、領収書側で同じ支払を二重に足さないようにします。明細書の簡略化に使える通知には所定の記載事項が必要です。[2]
作成コーナーの補てん金入力例では、医療費を超える給付があるとき、補てん欄へ対象医療費と同額を入力する案内があります。利用する年分の最新画面と通知を確認し、個々の支払・給付の対応がメモと一致したら転記の照合は完了です。[3]
給付額が決まっていないときも、ゼロと決めない
確定申告までに補てん金が確定しない場合は、その見込額を使って計算します。後で確定額が見込額と違えば、修正申告または更正の請求によって訂正する扱いです。まだ入金されていないという理由だけで、補てんなしと決めないでください。[2]
通常の医療費控除は原則10万円を差し引きますが、総所得金額等が200万円未満ならその5%が基準となり、控除上限は200万円です。通常の控除とセルフメディケーション税制は選択制です。どちらを使うかも最新条件で確認します。[1]
今日やることは、医療の領収書と給付通知を出し、補てん先が同じものを一行に並べることです。未確定の給付は見込額と確認先を残し、申告前に国税庁の当年分の案内や税務署で対象範囲を確認しましょう。
よくある質問
家族の医療費はいつでも一緒にできますか?
自分または生計を一にする配偶者その他の親族のために、自分が支払った医療費が対象です。家族の名義の領収書というだけで一律に合算せず、実際に誰が負担したかも確認してください。[1]
