まず結論:NISA口座はそのまま相続人へ引き継げない
国税庁は、NISA口座を開設している投資家が亡くなった場合、相続人は死亡したことを知った日以後、遅滞なく、口座がある金融機関へ『非課税口座開設者死亡届出書』を提出する必要があると案内しています。[1]
日本証券業協会は、被相続人のNISA口座にあった上場株式等を相続人自身のNISA口座へ受け入れることはできないと説明しています。[2]
相続する商品は、手続きをした金融機関の案内に沿って、相続人の特定口座または一般口座へ移します。
- 確認1:NISA口座を開設していた金融機関を特定する。
- 確認2:非課税口座開設者死亡届出書の提出方法を確認する。
- 確認3:相続人側の特定口座または一般口座を確認する。
複数の金融機関がある場合は一社ずつ確認する
金融機関を年の途中や過去に変更していると、複数の金融機関にNISA口座の記録が残る場合があります。国税庁は、複数の金融機関でNISA口座を開設していた場合、それぞれへ死亡届出書を提出する必要があると案内しています。[1]
家族の口座一覧や郵便物、電子交付書面を見て、取引先を漏れなく確認します。パスワードを推測して本人としてログインするのではなく、各金融機関の相続窓口へ連絡します。
必要書類は相続関係や金融機関によって異なるため、先に窓口へ確認してから集めましょう。
受入先は特定口座か一般口座
日本証券業協会は、NISA口座から相続した上場株式等は、相続人の特定口座または一般口座へ受け入れると説明しています。[2]
特定口座へ受け入れる場合には、同一銘柄を全てその特定口座へ移すことなどの要件があり、『相続上場株式等移管依頼書』の提出が必要です。[2]
相続人のNISA枠を使って移す手続きではありません。保有を続けるか売却するかは、移管手続きと分けて判断します。
| 確認事項 | 基本的な扱い | 確認先 |
|---|---|---|
| 死亡の届出 | 死亡届出書を提出 | 被相続人の金融機関 |
| 商品の受入先 | 特定口座または一般口座 | 相続人の口座 |
| 取得価額 | 相続発生日の時価が原則 | 取引報告書・金融機関 |
取得価額は相続が発生した日の時価が原則
国税庁は、NISA口座から相続により払い出された上場株式等について、原則として相続開始日の終値に相当する金額で相続人が取得したものとみなすと案内しています。[3]
日本証券業協会も、受け入れる商品の取得日は相続発生日、取得価額はその日の時価と説明しています。[2]
将来売却するときに確認できるよう、移管報告書、取得価額、相続発生日の記録を保管します。相続税評価や申告の要否は別の計算が関わるため、税務署や税理士へ確認してください。
届出までの配当と売買を自己判断しない
日本証券業協会は、死亡日から死亡届出書を提出するまでにNISA口座で支払われた配当金等は、遡って課税されると説明しています。[2]
相続人が本人の認証情報を使って売買すると、手続きが複雑になるおそれがあります。死亡後は取引せず、金融機関の相続窓口へ連絡して案内に従います。
家族が事前に金融機関名と問い合わせ先だけを共有しておくと、秘密情報を残さず初動を整えやすくなります。
よくある質問
亡くなった人のNISA商品を、自分のNISA口座へ移せますか?
移せません。相続した上場株式等は、相続人の特定口座または一般口座へ受け入れます。[2]
NISA口座の死亡手続きはいつ行いますか?
国税庁は、死亡を知った日以後、遅滞なく金融機関へ非課税口座開設者死亡届出書を提出するよう案内しています。[1]
