まず結論:見るのは働き方と老齢厚生年金
日本年金機構は、働きながらでも老齢年金を受け取ることができると説明しています。[1]
ただし、厚生年金保険に加入しながら働く場合や、厚生年金保険の加入事業所で70歳以降も働く場合は、給与収入によって老齢厚生年金の一部または全部が支給停止となる場合があります。[1]
ここで混同しやすいのが、年金全部が一律に止まるわけではないことです。まずは、自分が厚生年金に加入して働くのか、受け取る年金のうち老齢厚生年金はいくらかを確認します。
- 確認1:60歳以降も厚生年金に加入して働くか。
- 確認2:老齢厚生年金の基本月額はいくらか。
- 確認3:給与と賞与をならした総報酬月額相当額はいくらか。
2026年4月から基準額は65万円
日本年金機構は、2026年4月から、年金が減額になる基準額が月51万円から65万円に引き上げられたと案内しています。[2]
この65万円は、総報酬月額相当額と老齢厚生年金の基本月額の合計を見る基準です。[2] 令和8年度の基準額で、毎年度、賃金の変動に応じて改定されるとも説明されています。[2]
厚生労働省も、制度見直しのページで、法律成立時の62万円から2026年4月は65万円になると補足しています。[3] 古い記事や古いメモの数字をそのまま使わないようにしましょう。
| 見る数字 | 意味 | 確認先 |
|---|---|---|
| 基本月額 | 老齢厚生年金の報酬比例部分を月額にしたもの | 年金通知・年金事務所 |
| 総報酬月額相当額 | 標準報酬月額と賞与をならした額 | 勤務先・給与明細 |
| 65万円 | 2026年4月以降の支給停止調整額 | 日本年金機構 |
基本月額と総報酬月額相当額を分けてメモする
日本年金機構は、基本月額を、加給年金額を除いた老齢厚生年金の報酬比例部分の年額を12で割った額と説明しています。[2]
総報酬月額相当額は、毎月の賃金に1年間の賞与を12で割った額を合わせる考え方です。[2] 月給だけを見て『65万円を超えない』と判断すると、賞与分を見落とす可能性があります。
まずは、年金の数字と給与の数字を別々に書き出してください。そのうえで、合計が基準に近いかどうかを確認します。
老齢基礎年金まで同じように考えない
在職老齢年金で調整の中心になるのは、厚生年金に加入しながら受ける老齢厚生年金です。老齢基礎年金や加給年金額を、同じ計算にそのまま入れるものではありません。
日本年金機構の説明でも、基本月額は加給年金額を除いた老齢厚生年金の報酬比例部分をもとにするとされています。[2] 『年金総額』という言葉だけで判断せず、何の年金を見ているかを分けましょう。
働き方を決める前に、数字を一度照合する
60代の働き方は、収入だけでなく、体力、家族の予定、社会保険、税金、投資の取り崩しにもつながります。在職老齢年金だけを理由に働く・働かないを決めるのは早すぎます。
それでも、基準額に近い方は早めに確認しておく価値があります。勤務先に標準報酬月額や賞与見込みを確認し、年金事務所やねんきんネットで老齢厚生年金の見込みを確認する。この順番なら、感覚ではなく数字で働き方を考えられます。
よくある質問
働くと年金は必ず減りますか?
いいえ。日本年金機構は、働きながらでも老齢年金を受け取れると説明しています。ただし、厚生年金に加入しながら働く場合などは、給与収入によって老齢厚生年金が支給停止となる場合があります。[1]
2026年の在職老齢年金の基準額はいくらですか?
日本年金機構は、2026年4月から支給停止の基準額が月51万円から65万円に引き上げられたと案内しています。令和8年度の基準額で、毎年度改定される場合があります。[2]
賞与は見なくてもよいですか?
いいえ。総報酬月額相当額は、毎月の賃金だけでなく、1年間の賞与を12で割った額も含める考え方です。月給だけで判断しないようにしましょう。[2]
